不思議な空間
チープなテーブルクロス。素朴なキャラフェでサービスされるワイン。(もっともたいがいはボトルでオーダーするが)いつ行っても必ず外国語の聞こえてくる店内。そして、料理そのものも日本人に媚びたりしない全体的にしっかりした味付け。大げさではなく、ここに来ると日本に居ることを忘れることが出来る。
例えばテリーヌに使う脂肪。おそらく日本より寒い国に生まれ育った彼らは脂肪が必需品として育ち、美味しいと思って使っていると思う。良し悪しではなく、ラードはせいぜい揚げ物用、ヘットなんかすき焼きでしか見かけない、そんな国の料理人がテリーヌの食材として脂肪を使うのとはおのずと違ってくる。
もうひとつこの店でうれしいのは、ここまで「異国情緒」たっぷりなのに、ちいちゃな日本のおばあちゃんやいい感じの老夫婦が普通にテーブルについている図によくでくわすこと。その店は『au limo(オ・リモ)』といいます。