コラール『アド ノス アド サルタレム ウンダム』による幻想曲とフーガ / F.リスト

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2010年は「ショパンイヤー」でしたが、今年、
2011年は「リストイヤー」です。

「ショパンイヤー」がそれほど騒がれなかったのは、
私としてはちょっと意外でした。

だから、というわけではありませんが、
「リストイヤー」は、10月22日の誕生日、
生誕200年のお祝いの前にネタにしようと思います。

リストといえば、なんといっても「超絶技巧」と
「リストマニア」と呼ばれた熱狂的な女性ファンでしょう。

写真も残っていますが、
ロン毛、長身で痩身、クールハンサム、しかも、
ピアノが超絶技巧とくれば、女性が放っておきません。
サロンや上流社会の寵児、アイドルだったようです。

しかし、55歳で一転、聖職者になり、
宗教音楽を多く手掛けるようになりました。

パイプオルガンのために作曲された、
コラール『アド ノス アド サルタレム ウンダム』
による幻想曲とフーガ、もその一つです。

ただし、彼はカトリックでしたし、このコラールも、
ルターの宗教改革に基づくものではなく、
バッハの作品と比較するのは難しいようです。

コラールの主題に基づく幻想曲とフーガ、
という伝統的形式、様式は継承しつつ、
その音楽性は、見事にロマン派です。

いつ頃からか映画や小説でマッドサイエンティストや、
反社会的な大金持ちを描写するとき、
パイプオルガンが登場するようになりました。
よくあるステレオタイプの一つでしょうか。

『海底2万マイル』のネモ船長あたりが走りだったか、
『アダムスファミリー』や、最近では、
『パイレーツ・オブ・カリビアン』のフライングダッチマン号の船長、
デイヴィ・ジョーンズもパイプオルガンを弾いていましたっけ。

実際、この曲(アド・ノスと略します)の冒頭は、
コラールと言いながら邪悪な気配さえ感じる、
重苦しいテーマの演奏から始まります。

やがて、ピアノ曲でおなじみの『愛の夢』を思わせる、
甘いアルペジオや、高らかなファンファーレも登場し、
最後のフーガは、コラールのテーマが、リズミカルに処理され、
聴く者に期待を、弾こうとする私に絶望を与えます。

私の手はあんなに大きくないんです。

冒頭から両手両足を駆使した壮大なコラールだし、
1曲通せば、相当カロリーを消費しているはずです。

そうか、オルガンでダイエットができるかも。
なんて、姑息なことを考えて弾こうとすると、
楽譜の前で立ちすくむことになります。

ピアノとは一味違ったリスト、
それでもやっぱりロマン派の巨匠の作品です。

「リストイヤー」に是非お聴きください。
おすすめです。

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by hirorin330 | 2011-02-24 16:15 | 音楽