ガスパチョとカルパッチョ
滝のような汗とご一緒に、
ようこそのお運びで、御礼申し上げます。
さて、暑い夏と申しますと、どうしても食が進みませんで、
さらに夏バテに拍車をかけたりするもんでございますが、
江戸時代、平賀源内という多才なお人が土用の丑に鰻を食べよう、
ってなことをおっしゃったのが、日本のキャンペーンの始まりやそうで、
現代では、夏バテ予防やとかいうて、
日本中暑い時期にウナギのかば焼きを食べるわけですが、
焼いたはる方は、大変な重労働やないかと思います。
まあ、書きいれ時やと思うて頑張っていただきたいと思います。
鰻屋の前で白飯喰うような○どんが、●はんの家の前を通ると、
ええ匂いがしてます。
○まいど。この暑いのに肉焼いてんのかいな。
●帰れ。
○まあ、そう云わんと。ええ匂いさして、素通りできるかいな。
●ウチはIHやから夏に肉焼いても暑うないんや。
○へぇ~、それで焼肉かいな。
●焼肉やないけど、とにかく帰れ。
○まあ、まあ、おちついて。なんやぎょうさん並んでるがな。
●お前の分はない。わしの夏バテ予防ディナーや。
○その赤いのは?
●ガスパチョや。
○大阪ガスのオッサンがパッチはいてどないした。
●やっぱり帰れ。
○いや、かんにん。
●生野菜をミキサーにかけてこさえるスペインの野菜スープや。
○へぇ~。(ほら始まった、ウンチク大明神)
●なんやて。
○いやいや、こちらの話。で、その刺身みたいなんは?
●ヒラメの薄造りにオリーブオイルとバルサミコをかけてある。
○ヒラメはわかった。
●本来は牛の生肉で作る料理やがな、魚を使うことも増えてる。
○オリーブオイルにバルサンたいて・・・。
●ええかげんにしいや。
○すんまへん。
●カルパッチョという料理や。まあ、イタリア風の刺身やな。
ほんまは、チーズをおろしてかけたらええねんけどな。
○チーズか、なるほどイタリアや。で、バルサンっちゅうのは。
●まだ言うか。バ・ル・サ・ミ・コ。ワインのお酢や。
○なんや、身体によさそうやな。
●だけやない、美味しいで。
○で、肝心の肉はどないなってますのん。
●牛のモモとサーロイン、鶏のモモに豚のロース、それにイカと海老。
○ひゃあ、ごっつぉやなあ。
●夏バテ予防や。
○でも、こんなにたくさん焼いたらはじめのが冷めるやろ。
●甘いな。バットに入れてフタして休ませるんや。
○焼いた肉を休ませる。
●そうや。そのあいだに焼いてすぐ食べるイカや海老を焼く。
○なるほどなあ。
●ほんなら、全部一番ええ状態で食べられる。
○たいしたもんやなあ。
●いや、実は、プロの料理人さんの受け売りや。
○なんや、そうかいな。
●昔、中之島にあったスペイン料理店の女性シェフにな、教えてもろた。
○すみに置けまへんなあ。
●やかましい、立派な人妻じゃ。
○まあ、ええわ。で、このええ匂いのごはんは。
●ああ、冷凍のごはんがあったからガーリックライスにした。
○まめやなあ。
●まあな。IHのおかげで夏でも料理が楽しい。
○汗かきやもんなあ。くっくっく。
●ほっとけ。味見はさしたるから、はよ帰れ。
○一人で食べるより楽しいやろうに。
●お前とじゃ楽しいはずがない。
○ま、よばれま。美味しいわ!とくにこのスープ。
●そやろ、ガスパチョ、わしの好物や。パプリカが甘みを出してな。
○覚えとこ。大阪ガスのオッサンがパッチはいたら、パープリンか。
●もう、ええわ。
トト、トン、シャンシャンシャンシャン、トテチン♪
ガスパチョもカルパッチョも火を使わないで出来る料理です。
それでいて、栄養たっぷり、しかも美味い。
色んな流儀があるようなので、
この夏、一通り挑戦してみたいと思います。
特にトマトやパプリカを使わない「白いガスパチョ」。
昔はミキサーはなかった、として、粗みじん切りのもの。
塩、胡椒、オリーブオイル、そして、事情が許せばニンニク。
これだけで美味しく出来上がります。
カルパッチョも牛生肉が不安な方は、
白身魚でもマグロでも美味しくいただけます。
暑い夏を美味しく食べて乗り切りましょう。