ほんまや / 大阪市水道局
ディープ大阪へ出かけた。
通天閣と串カツがお目当てらしい。
いってらっしゃい。
私は行かない。
暑い夏の休日、一番暑苦しい街へ出かけるなんて。
あんのじょう、通天閣は近づけもせず、
ディープでもグルメでもない店で串カツを食べたらしい。
それでも「二度づけ禁止」のソースがお気に召したとかで、
一応、大阪の一端を堪能してもらえたようだ。
と、家人の持ち帰ったペットボトルが目に付いた。
人目を引く強烈なピンク。
ラベルには「ほんまや」とある。
大阪弁で「本当だ」ていどの意味だが、標準語より軽い。
一体どんな飲料だろう。
手にとって、こけた。
水だった。それも水道水。
しかも、500㏄で100円。
たまに仕事で出かける役所だと70円、
コストコでは30円でミネラルウォーターが買えるのに、だ。
水道水が100円て、あんた、そんな、あほな。
おっちゃん、たちくらみしそうやわ。
いや、確かにただの水道水ではない。
水道局員が蛇口をひねって売っているのではなさそうだ。
「高度浄化処理水」というシロモノらしい。
にしても、だ。
売りも売ったり、買いも買ったり。
地下鉄の駅に自販機があるらしい。
さすが商都。
大阪は商売がうまい。
で、だ。
串カツにうるさい私から一言。
ディープな串カツなら立ち食いカウンターのみの店、
足らないソースは、食べ放題のキャベツでかけるといい。
ただし、この手の店は、
朝っぱらから酒臭いおっちゃんの隣に立つこともある。
なあに、別に怖くはない。多くはマナーのいい酔っ払いだ。
とって食われることもない。
ただ、あなたに興味を持ったらしつこいかもしれない。
ねちねちと話しかけてくるかもしれない。
そんなときは、タイガースをほめよう。
ただの陽気な酔っ払い同士の会話を楽しもう。
もしあなたが巨人ファンだとしたら、
もちろんそんなことは決して口にしてはならない。
隣のおっちゃんは寛大でも、
その向こうのおっちゃんもそうとは限らない。
とはいえ、そう心配はいらない。
ギロっとにらまれて終わり。
今日は、これくらいにしといたろ。
で、終わる、はず。
もし、あなたが本当に美味しい串カツを食べたいなら、
ソースが数種類用意された店をお勧めしたい。
小さな一口、1本1本の串に感動するだろう。
新世界からミナミ、北新地まで串カツワールドは広い。
大阪へおいでの節は、お役にたてるかもしれません。
ご一報ください。
ああ、『wasabi』に行きたくなってきた。