機械式メトロノームのメンテナンス
家でもさらっているようだ。
電子式のピッチパイプ兼用のものは、
電池が切れたまま。
で、久しぶりにネジを巻いたが、
うんともすうとも言わないという。
機械式メトロノームなら私の出番だ。
アナログ、機械式なら、何とかなる。
機械式メトロノームは、
機械式の時計と似ているだろう、思っていた。
それも、比較的構造がシンプルな、
一種の振り子時計ではないかと考えた。
ならば、子供の頃からいくつも分解してきた。
そのまま放置したものも多いが。
開けてみると、予想通り。
機械式振り子時計とよく似ていた。
時計で言うテンプとアンクルが動いていない。
振り子の動きが伝わっていなかったのだ。
しかも、よくよく見れば、
グリスが固まっているだけ。
ぜんまいの巻き過ぎ防止機能の歯車も、
結局、はずす必要はなかった。
劣化したグリスの除去は面倒だったが、
あとは、5-56をスプレーして、完了。
食後のコーヒーを飲みながら、
キッチンで、鼻歌まじりの作業だった。
メトロノームの用途を考えると、
光でもリズムを知らせる電子式は便利だ。
デジタル式は、音量もコントロールできるし、
そもそも、小型軽量だ。
今回、初めて機械式メトロノームを分解したが、
改めて「時計」であり、また「楽器」だと思った。
木製の本体は、共鳴箱として機能するし、
チャイムの品質や精度も高い。
夜中に使うと音量は大きすぎるくらい。
なので、ピアノの大音量にも十分たえられる。
中に使われている固定用のネジは木ネジで、
固定場所の微調整も利く。
日頃、私ではなく家人2を崇拝する、失敬な家人3の、
驚愕の視線を気持ちよく浴びながら返してやった。
これくらいのこと、興味と好奇心があれば、
誰にでも可能なことだと思うのだが。