『炎のランナー』25年ぶりに解ったこと。

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学生時代に見て感動した映画、『炎のランナー』。
ヴァンゲリスの音楽も好きで、サントラも買った。

ちなみに、衝動買いしたトートバッグは、
30cmLPも余裕で入る。

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で、映画の原題"Chariots of Fire"は、
ミッションスクールだったのですぐ理解した。

三菱自動車に「シャリオ」というのがあったが、
あれ。

馬にひかせる馬車。
ただし、戦に使う「戦車」だ。

機動力と攻撃力に優れ、
全世界で使われた兵器。

私たちは、旧約聖書の中から知った言葉。
そして、『炎のランナー』にも出てきた。

メダリストたちが、晩年、礼拝にあずかるシーンで、
『エルサレム』という「讃美歌」に出てくる。

私は、「讃美歌」とばかり思っていたが、
実は、全く違っていた。

かの、ミルトンの詩による曲だが、
国威発揚の曲として作曲されたようだ。

しかし、原詩の崇高な精神は、
あざとい目的を超え、歌い継がれている。

それを知ったのが、「プロムス」最終夜の演奏会。
いや、行ってはいない。DVDでのお話。

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BBCは、クラシック音楽を広めるため、
「プロムス」という演奏会を毎夏開催している。

その最終夜の演奏会は、いわば無礼講。
旗や幟や鳴りモノを持ち込み、楽しむ。

かの国の階級社会の一端も見えてくるが、
なにせ、にぎやかで楽しい。

とくに、聴衆のお目当ては後半にある。
みんなで大合唱できる曲目が用意されている。

決まって毎年3曲、同じ曲だ。

『希望と栄光の国』、『ルール・ブリタニア』、
そして、『ジェルサレム』。

『希望と栄光の国』は、
エルガーの行進曲『威風堂々』1番のコラール部に、
歌詞をつけたもの。

時の国王が、メロディーを気に入り、
歌詞をつけて歌いたいと仰せになって実現したとか。



『ルール・ブリタニア』は、アリアに続いて、
「ブリテンよ支配せよ」と勇ましい合唱が響く。



『ジェルサレム』は、イスラエルの首都だが、
キリスト教徒には「千年王国」という意味がある。

キリストの永遠の国、くらいの意味だ。
ヒトラーもナチの「千年帝国」に言及している。



いや、そういうウンチクはともかく、
羨ましい。とにかく羨ましい。

ホールに入り切れず、国中の公園に集まった人々が、
衛星中継に合わせて大合唱するのだ。

国を思い、自らのアイデンティティーを確認する、
みんなで歌える音楽がこんなにあるのだ。

しかも、イギリスの人々のバランス感覚は、
決して、偏狭なナショナリズムに走らない。

たとえば、オペラの盛んなイタリアとドイツが、
ファシズムに走ったのと好対照だと思う。

イギリスの人たちは、イギリス万歳と合唱しても、
排他的全体主義には走らなかった。

ビールとスコッチとこの点は、尊敬に値する。
おっと、フィッシュアンドチップスも。

今年は、ロンドンオリンピック。
成熟した大人のオリンピックを楽しもう。





プロムスの素晴らしさを教えてくれたTさん。
美しい5月にあなたが逝って、はや2年。

イギリス紳士を思わせるあなたに、
少しでも近付きたいと思っています。

まだ、頭部の一部しか到達できていませんが。
by hirorin330 | 2012-05-07 17:42 | 映画・DVD | Comments(2)
Commented by ぽてと at 2012-05-08 19:46 x
オーブリターニャ、ブリターニャルールザウェーブ!
いいですよね、この動画。プロムスのルールブリタニアの中でも、一番茶目っ気があって大好きです♪
Commented by hirorin330 at 2012-05-10 17:14
ポテトさま、2009年は、本当によく笑うプロムスでした。
イギリス人でもないのに嬉しくなります。(笑)