化粧で化ける

いや、失礼。女性の話ではない。
またまた新幹線のお話。

伝統の白と青に塗られた700系新幹線は、アヒルだのカモノハシだの、不幸なことに、
どちらかというと「先鋭」「高性能」「最先端」とは、程遠い呼ばれ方をしている。

それを気にしたのか、九州新幹線や台湾へ輸出した新幹線、それに新しいN700系は、すべてアヒルを基にしながら、アヒルらしさを押さえ込もうと言う努力がうかがえる。

あろうことか、羽ばたく鷲をイメージした、とまでコメントしているが、それもどうかと思う。
高性能で頑張っているのに、アヒルも立つ瀬がない。

そういう意味で言うと、300系新幹線は、「未来」を演出するのに成功したといえる。
車体がフラットになるプラグドアなどの採用が効いたのだろう。

が、しかし、あの除雪用のラッセル車を思わせる形状は、確かに雪のように空気を切り裂きそうには見えるが、必ずしも科学的ではないらしい。

その後の新幹線やF1などの高速車の形状ともかけ離れている。ダウンフォースを生み出さないので、高速走行時には線路の上で浮き上がる、とも噂されていた。

でも、300系が「未来」で700系は「アヒル」だった。
500系ではないが、哀れとさえいえる。

それがどうだ。JR西日本管内を走る700系ひかりレールスターの雄姿は。
アヒルどころか、精悍な、一種悪役の雰囲気さえ漂う面構えではないか。

JRで言うと西日本と東海は仲が悪いらしい。というか、ほとんど西日本がいやがらせをうけているらしい。新大阪駅での縄張り争いだの、不協和音がよく聞こえてくる。

外観はもちろん、レールスターは、とても同じ700系とは思えないぐらい内装のグレードも高く、PC対応の設備など、全てグリーン車仕様で、ゆったりしている。

人気が高く乗車率も高いが、8両編成なうえ贅沢仕様なので、輸送力はやや劣る。
それでも500系や700系ひかりレールスターはJR西日本の意地なのだろう。

レールスターが東進することをJR東海は本気で恐れているらしい。
そういう競争を期待して分割民営化が進められたのだが、乗客の声も聞くべきだろう。

まあ、歌舞伎の隈取のような記号性というわけではないが、
同じ車両の印象がこれほど違えば、なるほど、メイクも大切か。

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いまでは、初代「のぞみ」が「こだま」として走っています。


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東京まで走る雄姿を見て見たいものです。