新中国料理『黄龍』 / 大阪・北浜・平野町
食べ歩き仲間の大先輩に連れられて、
話題の中華料理の店に行って来た。
大阪・堺筋を南下し、
生駒ビルヂングの角を西へ。
歴史的価値の高い建築物の多い地区だが、
先ず驚いたのは、ロケーション。
黒いモダンなビルなのだが、
間口が狭く奥行きがかなり深い。
いわゆる「鰻の寝床」。
間口で税が決まった名残とか。
都市部には珍しく、二階建てで、
犬矢来までしつらえてある。
上方の商家(町屋)建築だ。
その奥をのぞけば、路地裏風。
伝統家屋の良さを再認識させられる、
その名も「船場平野町小路」。
せんば・ひらのまち・こうじ
大阪では、「町」は「まち」と読む。
小路に並ぶのは、すべて飲食店。
どの暖簾もくぐって見たくなる。
その奥に目指す『黄龍』は、あった。
ワクワクしながらカウンターにつく。
目の前にドンとあるのは、
大きな黒板が二枚。
読むだけで期待が高まる。
いやいや、まあ、落ち着こう。
ということで、ビール。
ハートランドビールだった。
麻辣豆腐花
中国料理は、食材と調理方法が、
料理名になっていることが多い。
麻辣油のかかった、豆腐。
最高のスターター。
突き出し3品
左から、
カラスミ紅芯大根
ホタルイカ紹興酒漬け
菜の花と干しエビ
生落花生の八角煮
なんとも立派な落花生。
栗のように甘くほっこり。
鴨のレバー入り腸詰
レバーのコクがたまらない。
これだけで、赤ワイン1本空く。
甕熟成紹興酒
蒸し鶏
定番だが、実に美味い。
やや甘口のたれが好み。
本日の蒸しスープ
野菜がごろごろ入った中華ポトフ。
牛と鴨の出汁も素晴らしい。
金華ハムの蜂蜜漬け、クレープ包み
北京ダックの要領で、
塩味が絶妙なハムをいただく。
ドライフルーツが添えられている。
いや、悶絶の旨さ。
まこものスパイス揚げ
まこもの揚げものなのだが、
まぶされたスパイスが美味い。
薫りは、カレー風でもあり、
中国南部のイメージもある。
鶏のから揚げなどにも合いそうで、
皿に残ったスパイスを持ち帰りたかった。
白菜芯と塩漬け玉子の煮込み
黒板で見てなんとも気になって、
好奇心が優先だったが、大正解。
この時期、一週間ほどしか採れない、
台湾でも希少な食材だそうだ。
たとえるならば、アンディーヴ。
でも、苦みのないとても優しい味。
それから得られるスープを吸った春雨、
ピータンや塩漬け玉子の味が素晴らしい。
麻婆豆腐
これも定番だが、食べてよかった。
もちろん額の発汗も、大変だったが。
もろみ豚フィレのリンゴ酢豚。
珍しく、熱々が、見てとれる画像。
白いのは、リンゴ。
思ったほどリンゴの酸味はなく、
それでも爽やかにいただいた。
海老を練り込んだ乾麺の料理。
黒板にはないのだが、
無理を言ってお願いした。
汁そばと迷ったのだが、
ネギと麺の相性も良く、美味しかった。
桜エビとおこげの炒飯
これも初体験。
長粒種の米の炒飯とおこげ。
サラッとした炒飯とおこげのサクサク。
美味しいだけでなく、異なる食感が楽しい。
豆腐花
デザートだが冷たくない、豆腐。
シロップは、ショウガ風味で懐かしい。
お腹に優しいデザートという感じで、
満腹のお腹に言い聞かせた。
汁そばは、また、今度。
満腹御礼。
店を出ると、やわらかな春雨。
白菜芯の煮込みを思い、ぬれて帰った。
ご馳走様でした。
大変美味しくいただきました。
S先生、ありがとうございました。
書いてて、また、お腹が鳴りました。