Les jours s'en vont je demeure.
このところ、BBCやCNNでも特集を放送しているが、
私も古いアルバムを引っ張り出してきた。
「エルベ河畔のフィレンツェ」と呼ばれたドレスデンのツヴィンガー宮殿にあった記念碑。「英米連合軍が徹底的に破壊した。」とか、「ソ連軍によってファシズムの圧政から解放された。」とか、あって、違和感を覚えたので撮影したが、今はどうなっているのだろう。だが、終戦のほんの3ヶ月前に、英米連合軍の通常爆弾による一晩の空襲で、広島並みの破壊をもたらした事実は、記憶すべきだろう。蛇足ながら「エルベ河畔の・・・」という表現は、日本で言う「どこそこの小京都」というようなレベルではなく、「価値観や美意識が違いながらも敢えて誰にでもわかる喩としてフィレンツェのようにスゴイ」といったところ。
人の集まるところ(ここは、駅)には、「ソ連との連帯は、すべて社会主義と自由のために」といったスローガンがあふれ、ホーネッカー書記長の肖像もそこかしこに見られた。ただし、下手な構図の言い訳ではないが、監視カメラも多く、広場や駅前には必ず設置されているので、写真を撮るのも緊張する。最近の日本製のように隠密的なカメラではなく、むしろこれ見よがしなカメラが威圧していた。
当然、ブランデンブルク門は、封鎖中。観光客を意識してか標識は英語。
「無名戦士の碑」の衛兵交替。グースステップと呼ばれるプロイセン以来の伝統ある行進なのだそうだが、さすがに階段は登れないのか、兵舎に消えてゆく頃には、通常の行進になっていた。ちょっとがっかりした覚えがある。
私なんざ、ほんの中年、まだまだ若造だと思っているが、容赦なく『月日は流れ 私は残る。』
Le pont Mirabeau
Les jours s'en vont je demeure.
Guillaume Apollinaire
G. アポリネール『ミラボー橋』 より。堀口大学 訳