大分紀行 4 由布院へ、『玉の湯』へ
別府湾SAでは日が差してきた。
台風一過の由布岳は、
雨に洗われた新緑がまぶしい。
旧友の計らいで宿泊した宿は、『玉の湯』。
由布院屈指の名旅館。
全室が離れになっているが、
部屋に案内されて、絶句。
セミダブル2台の寝室に、
12畳の和室。
ウッドデッキを備えた居間。
内風呂もゆったりとした半露天で、
トイレが二か所にキッチンも備わる。
床の間はもちろん、
そこかしこに花が生けられ、
キッチンには、勝手口もあり、
これは、もはや、別邸。
帰るのが嫌になる。
が、せっかくなので、近くを散策した。
文人墨客も歩いたであろう小道の先には、
金鱗湖という小さな湖がある。
学生時代のバカ話は控えて、
静かに大人の時間を楽しんだ。
夕映えの由布岳の神々しいこと。
そして、夕食。
チェックイン早々にメインを選んだ。
箸休め(箸置き)も庭から
季節の小鉢
胡麻豆腐
生節
旬の山菜など
お造り
すっぽんスープ
鮎の塩焼き
田舎風煮物
大分牛フィレ
揚げ豆腐
すっぽん雑炊
デザートは、場所を変えて談話室で。
西瓜と
苺のゼリー寄せ。
宿泊客の著書を集めたという書棚が秀逸。
さすが、小林秀夫の隠れ宿である。
傲慢な言い方を許されるなら、
京や北新地の名店を思わせる料理の数々だった。
ああ、帰りたくない。
まだ、つづく