「想像を超えた世界」 天野喜孝展 / 兵庫県立近代美術館
30年近く前、私のゲーム人生は始まった。
最初は、ファミコンのドラクエ。
当初は、そんなに没頭できるものか、
と思ったが、ミイラ取りがミイラになった。
エニックス社のドラクエシリーズは、
リアルタイムでプレイした。
ドラクエI発表の翌年、スクエア社から、
ファイナルファンタジー、つまり、FFが出た。
実は、当初、FFをプレイする気はなかった。
ドラクエが忙しくそこまで手が回らなかった。
しかし、パッケージに惹かれた。
天野喜孝のデザインだった。
キャラクターたちのイメージデザインも、
とても子供向けとは思えない世界観だった。
結局、パッケージデザインで手に入れ、
たちまちFFファンになってしまった。
発売とともに手に入れてプレイしてきた。
ごめん、ドラクエ。
スクエア社とエニックス社が合併したときは、
腰を抜かしそうに驚いたものだが、その話は別。
その後、なんだかんだでドラクエ8まで、
FFは、XII(12)までプレイした。
オンラインゲームになって遠のいた。
おじさんだもの。
とはいえ、FFの世界に導いてくれた、
天野喜孝展、行かぬわけにはいかぬ。
いや、もちろん、FFだけではない。
独特の世界観があふれた展示だった。
タツノコプロとの関係も深く、
ドロンジョさまやヤッターマンもいた。
ちなみに、ドロンジョさまのタイトルは、
『マドンナ』、そうだろう、そうだろう。
また、神話シリーズ、源氏物語の連作など、
初めて見る作品も多かった。
一貫して女性を見る目が優しいと思った。
描かれた裸体がいやらしく感じないのだ。
恥じることなく、いつまでも眺めていられる。
かえって着衣の源氏物語の方がエロかったり。
その一方で、無邪気な少女が、
妙になまめかしかったりもする。
つまりは、女体に愛があふれている。
もちろん、男性も登場する。
猛々しい勇者、中性的な青年、
それぞれに天野ワールドだった。
そこかしこに黒豹も登場するが、
あのしなやかさは、女性だろう。
最後の展示室は、大作が数点あったが、
撮影許可だったのも嬉しかった。
まあ、コンデジなんかで、
ろくな画像を残せるわけでもないのだが。
会期中(8月30日まで。)、
何とか再訪したいと思っている。
余談になるが、FFの連作を展示する部屋では、
FFのゲーム音楽がBGMで流れていた。
あれは、テンションあがるわあ。