スポーツからスタイル・プラスへ A180
御しやすい私を。
優秀な営業マン、N村マジックで、
いわゆる、〇ナセ地獄に落とされた。
きっかけは、オーディオの不調。
それも、ささいな。
定期検査でのチェックでもいいから、
と、一応、声をかけただけ。
ネギ背負って、鍋に携帯コンロ、
そういう状態だったのだろうか。
提案されたのは、スタイル・プラス。
赤は、国内200台限定の特別仕様車。
昨年11月の「愛車炎上」も衝撃だったが、
2年で4台目の新車というのもどうかと思う。
10年あるいは10万キロ、
これが最低基準だったのに。
ただ、クルマ自体に対する驚きも大きい。
同じ車とはとても思えない。
周辺装備の充実というだけではない。
むしろ、基本の走行性能だ。
実は、エンジンは同じ。
排気量も出力も。
スポーツは、その名の通り、
足回りを固めたスポーツカー風。
一方、スタイル・プラスは、
自然体でマイルド。
一番の違いは、タイヤとホイールのサイズ。
ホイールは1インチ小さく、タイヤは厚い。
ただそれだけ。
で、目を見張る乗り心地の違いがある。
理屈では分かっていた。
タイヤの扁平率で乗り心地が変わる、と。
扁平率が小さく薄いタイヤだと、
走行限界性能が伸びる。
高速道路での安定感も増す。
が、デメリットも大きい。
一般道路では、ごつごつ固い乗り心地。
ちょっとした路面の粗さも拾う。
だが、率直に言うと、エンジン出力に対して、
あまりいいアンバランスとは言えなかった。
高速道路での車線変更には安心感があったが、
あのエンジンにそこまでの足回りは、不要。
むしろ、AMG仕様のエアロパーツで、
スポーツカーの味付けを楽しむというところか。
排気管もエンジン排気量を疑う2本出し。
侍の二本挿しになぞらえたスラングだが。
ことほど左様に排気管のスタイルは重要。
ある意味、クルマのセックスアピール。
まあ、クルマがマッチョだった時代の名残か。
アナクロな美意識と言えなくもない。
ともあれ、同じクルマのはずが、
スタイル・プラスは、排気管が見えない。
これ見よがしにではなく、控えめに、
でも、しっかりエコをアピールする。
ほかの外観上の違いと言えば、スタイル・プラスは、
フロントグリルがボディー同色になったこと。
さらに、どいうわけか、スタイル・プラスは、
後部ドアの窓にスモークが入る。
あと、リアバンパーの位置が、
スポーツは、微妙に低いかも。
くどいようだが、同じクルマ。
そう、エンジンだけは。
こういう乗り比べをしてわかったのは、
Aクラスにマッチョは似合わないということか。
格好はよかったんだがなあ。
フロントのブレーキディスクとか。
N村さん、今度は、
10年10万キロ、手放しませんから。