『長寿蔵』

神戸でビアレストランというと『ニューミュンヘン』が有名だが、
昨日に続き、『白雪』のブルワリーレストラン、『長寿蔵』のお話。

実は、ちょくちょく通っている。お手軽でお気軽でリーズナブル。唯一の問題は、「足」か。
阪急、JRの伊丹駅からそれぞれ徒歩数分。なぜか「P」もあるが。

年に数回行くが、食べ物で退屈はしない。
定番メニューを押さえつつ、結構頻繁にメニューの更新が行われるからだ。

慣れからくるのか、開店当初の「感動」は薄れたが、
ビールは、すべてフレッシュで香り高く、温度も泡も理想的な状態で出される。

輸入ビールや『白雪』の「地酒」も充実している。
適切でないかもしれないが、「酒好きのテーマパーク」といったところ。

もうひとつ、もしかしたらこれが一番大事なことかもしれないが、
スタッフのスキルが高く、対応がとても気持ちよい。

昨日も混雑するショップで一瞬ため息が出たが、ふと眼のあった事務スタッフが、
タイミングよく、手が空いたばかりの女性に合図してくれた。

それだけといえばそれだけだが、あらゆる現場でスタッフ一人一人が、良い店にしよう、
お客様に喜んでもらおう、という姿勢がしっかり伝わってくる。

週末のUSJなみの待ち時間も、プロのマジシャンを回らせて、退屈させないところなども、
立派な企業努力だが、とにかくスタッフ一般のモチベーションが高いのは、うれしい。

全員がレシーバーをつけ連携しているので、せっかちな客でも手さえ上げれば、
ビールが届くまで、長く待たされることはない。

まちがってもヒマなスタッフ同士で無駄にくっちゃべってはいない。
当たり前なんだけど。

極めつけは、酒を飲みに来る場所であるにもかかわらず、
酒を飲まない客にも気配りが行き届いているところか。

ノンアルコールのカクテルなどのドリンクメニューも豊富で、
この前言ったら「テイスティングセット」なるものが、メニューに加わっていた。

『長寿蔵』人気の地ビール4種が、一口ずつの小さなグラスでサービスされるのだ。
まあ、私には縁がないものだが、とても良いアイディアだと思う。
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「酒飲みのクセして、よしゃあいいのに初物食いで、うれしげに注文した仲間が、撮影を待ちきれずにひとつ飲んでしまったの図」 一口でこれだけが消える。

左から「ブロンド」「ダーク」「ブロンシュ」「小雪」。(詳細は『長寿蔵』サイトで)
ベルギー国旗と酒蔵の屋根をデザインしたマークも良いセンスだと思う。

いわゆる「ファミレス」が苦戦する状況にあって、示唆に富んだ現場を見せてくれる店だ。
まあ、ただの酒飲みには、そこにあることがうれしいだけなのだが。