最近の読書から (2005年11月)

○『廃用身』『破裂』:久坂部 羊(幻冬社)、『震えるメス』:伊野上 裕伸(文芸春秋)。
必ずしも読後感のよくない医療告発系の作品。正直、名文とも言えず、疲れた。

○『女教皇ヨハンナ』上・下:ドナ・W・クロス(草思社)。テーマ自体は、古くからの伝説。
塩野七生にも短編があった。考証に破綻が少なくテンポよく読めた。

○『ゲーデル・エッシャー・バッハ(GEB)』20周年記念版:D.R.ホフスタッター(白揚社)。
20年前も読んで、「本当は何を書いた本なのか?著者自らが答える序文収録」に踊る。

○『攻略せよ、要衝モーリシャス』:P.オブライアン(ハヤカワ文庫)。
ラッセル・クロウの映画『マスターアンドコマンダー』の原作シリーズ。帆船ものが好きなので。

○『鋼の錬金術師12』:荒川弘(ガンガンコミックス)。
すでに終了したTVアニメとちがって、ますます濃く深くなる。がんばれエド+アル。

○『ブラックジャックによろしく12』:佐藤秀峰(講談社)。精神科編④。
重い現実を突きつけながら劇的な展開を見せる。鬱に誘導されそう。でも読まなきゃ。

この秋は、われながら読書時間を上手く見つけられたと思う。
ただ、「現代もの」をコミックでしか読んでいないのは、ちょっと偏っているかも。

『GEB』は、サラッと読むと各章とても変化に富んで楽しいが、ちょっとしっかり読むと、
たちまち睡眠本となる。結局、脳と意識の根源的問題に流れてゆく。わからん。

年内は、もう大作を読む予定はない。さすがに年末は時間がとりにくい。
来年、また、どんな本と出会えるか楽しみだ。