Vinas De Gains 2003 / Artadi

スペイン・リオハのワイン、ヴィーニャス・デ・ガインの2003年。
R.パーカーJr.が93点をつけた。

私は、相性が良いというか、スペインワインが好きだ。デイリーなワインでもよく褒める。
いや、ホントに美味いから褒めているだけだが、これは、「凄い」と言い切れる。

その価格は確かにスペインのデイリーワイン4本分だが、
それは、ボルドーのセカンドワインの半額でしかない。

私なら有名なボルドーのセカンドではなく、これを2本買う。
慌てて追加注文したが、1本しか残っていなかった。なんとか確保。

アルタディというこの会社、創業は1985年。まだ20年ほどの歴史だというから驚きだ。
ブドウは、テンプラニーリョ1種、ただしかなりの古樹らしい。

スペインのワインは、遠くでグレープ味のお菓子の香りがする、と言った人が居る。
なるほど、私もグミキャンディーのグレープ味を思い出したことがある。

否定的にとらえるなら、わざとらしい香料臭さ、と言えなくもないが、
日本人が「グレープ味」に求める味と香りをもったブドウ、ということでもあると思う。

いや、もちろん醸造技術も含めて総合的にキャラクターが決まるのはわかるが、
スペインワインの個性とブドウ品種は、かなり密接な関係だとにらんでいる。

我ながら卑しさに赤面する思いだが、実は、デイリー4本分の味を期待した。
グラスからたちのぼる香りだけで2本分だと思った。実に華やか。

はじめ、少し冷やしすぎたのが反省点だが、温度が上がり、
アロマが開くのを実感できた。ベリーや春の花の香りがつぎつぎに開く。

口に含むと、柔らかで滑らかなビロードの感触。なんと豊かで豪華な果実味か。
複雑で華麗なのだが、上品で端正で、バロック音楽のよう。

ワインや料理を音楽や絵画で表現するのは意識的に避けてきたが、つい出てしまった。
大げさに言うと、理性を失いかねない美味さ。はしゃぎたくなる。参った。

「アルタディ」の名は、覚えておいてほしい。
で、どこかで見かけたら是非味わってほしい。

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