うどん vs 蕎麦
原理主義者や民族浄化じゃあるまいし、自陣以外を否定するなんて野蛮の極致。
子供の頃から完全な正義の味方も絶対悪もありえないと直感していた。
だから勧善懲悪は鼻白むし、二元論には否定的な立場だ。おっと、脱線。
うどんも蕎麦も大好きなのに、どちらかひとつを選べだなんて、困る。
いや、べつに腰をクネクネしながら言っているのではない。本当に困る。
ただ、詩人Kが残した言葉は、ちょっと衝撃的だった。いわく、
うどんと蕎麦があってうどんを選ぶ人は、つい馬鹿にしてしまう・・・のだそうだ。
(この前処分した本の中にまぎれていたのか、原文を紹介したかったが、
その随筆は、ちょっと見当たらなかった。)
いや、わからなくはない。粋を極め、様式美の域にまで達した蕎麦に対して、
うどんはひたすら庶民の味方。そこには作法もへったくれもない。
あ、あった。
つゆを飲む前に七味をかけたら怒られる店があったっけ。まあ、いい。
でも、流行の腰の強い讃岐うどんに対して、「腰抜けうどん」を自称する
大阪うどんのサービス精神は、取り澄ました粋人の対極にあっても嫌いじゃない。
いまさら、歴史的に小麦や昆布の流通がどうのという気はないが、
大阪のうどんは、当時の全国の美味いものの集大成と言えなくもない。
一方、江戸歌舞伎の影響もあるだろうが、京都南座そばのMは、にしんそばが名物。
関西も一筋縄ではいかない。だからこそ面白く美味しい。
詩人Kは、そういう風に生まれ育ったのだから仕方がない、と開き直っていたが、
それでは、いささか、寂しくないか。私はポークカレーも食べる。
かくも美味しく楽しい麺類の世界をうどんか蕎麦かの二者択一にできるはずがない。
きっぱり言わせてもらう。両方とも大好物だ。究極の選択はお断りしたい。
とはいえ、皆さんの贔屓の引き倒しコメント(笑)は大歓迎です。
「カレー肉ランキング」ありがとうございました。とても楽しかったです。