シーリングワックス
いや、今でも好きなのだが、その頃は、いささか突っ走っていた。
悪筆をごまかそうと太字の万年筆を集めたり、
名前入りの便箋をオーダーしたり、とまあ、なかなかにスノッブだった。
今でも柔らかなクリーム色の分厚い便箋と封筒はたまに使う。
で、極めつけは、シーリングワックス。
外国映画などで封書に封をするときロウを垂らしてハンコを押す、あれだ。
理想を言うと太い指輪がハンコになっているとなおいいのだが。
ときどきお邪魔するブログでシーリングワックスの話題になり、
用もないのに久しぶりに使ってみた。
なかなかに「風情」や「趣」はあるのだが、やはり面倒。
タバコを吸わない私は、ライター探しから始まる。
次にロウソクのように火をともし、ワックスを溶かす。
それを封書に垂らし、スタンプを押す。
と、書けばそれだけなのだが、垂らしたワックスに火がついたり、
そもそも丸く形良く垂らすのも結構難しい。
私が使っているワックスはドイツ製なので環境に配慮されているとは思うが、
かなりのススがでるし、松脂の香りも強い。まあ、これも風情か。
で、思い出したことがある。
次に使うのは、遺書の封印にしようと心に誓ったのだった。
ということで、今回は、ブログにも明記しよう。
次は、遺書だ。