カエサルに倣(なら)いて
を畏れ多くももじってみた。ほんの出来心。
あの日、つい浮かんでしまった。
あのフレーズが。
「喜多、見た、買うた!(買った)の喜多商店!」
大阪ローカルのテレビCM。しかも古いし。
実は、これは、かのカエサルの「来た、見た、勝った」の洒落だ。
ちなみに原語では"veni vidi vici"で、ビデオやヴィクトリーの語源でもある。
古典教養に憧れて第三外国語にラテン語を選んだ数少ない収穫。
いや、大げさなタイトルに赤面。
で、そのココロは、というと、「来た、釣った、食った」。
ああ、恥ずかしい。
来た。
兵庫県を北へ北へと突っ切って、日本海まで。
釣った。
アジの釣堀で。
食った。
天婦羅にして。
が、だ。
ここはどこかというと、釣堀ではなく、なんと水族館だ。
私が旅行するときは、美味いものがある、のんびりできる、が必須条件。
で、のんびりできる、に「水族館がある」が重要なのだ。
同じ県内にあって、行けそうで行かなかった「城崎マリンワールド」。
中途半端なこの夏の目的地にピッタリではないか。
自然水族館「シーズー」、ダイビングプール、シーランドスタジアム、
など多彩な展示で飽きさせない。ショー形式、体感形式が多い。
巨大なトドが大きな水しぶきを上げる「トドのダイビング」
ペンギンのお散歩
イルカ・アシカショー
この流れで行くと、「水族館で釣り」も違和感が薄れるから不思議だ。
っつうか、美味いんだ、この天婦羅。
海の水をそのまま引いてきた釣堀では、アジが入れ食い。
恐れ入ったのは、その釣堀の後ろに「アジバー」なるキッチンがあること。
釣り上げたアジを持っていくと、その場で開いて天婦羅にしてくれる。
ハンドルを握らない人をあれほどうらやんだことはない。
いやしかし、何が驚いたといって、「美味しい天婦羅をつりましょう。」の看板。
ここはどこ。
参考までに申し添えると、大物狙いはドツボ。
子供でも釣れる入れ食いだが、針に仕掛けがあって、やや弱めの結び。
金魚すくいのように数は釣れなくなっている。
私は、大物二匹目で針ごとさらわれた。
それでも、もうちょっと釣りたいな、もう少し食べたいな、
というくらいには、十分楽しめた。
阪神間からのんびり走って、ほんの3時間。
そこはもう日本海だが、日帰りでも再訪したいと思った。