魔笛 The Magic Flute

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"The Magic Flute"だ。
"Zauberflöte"ではない。

モーツァルト/シカネーダーの『魔笛』だが、
ケネス・ブラナーによる、2006年のイギリス映画だ。

あの『アマデウス』でも取り上げられているが、
有名なアリアも多い、傑作。

どうしてもネタバレしてしまうので、
私のつたない感想は、More に。




いきなり、"God! Help me!"だもの、
やはり違和感がある。

しかも、色は違うが、
第一次大戦のイギリス軍の軍装だ。

空には、デハビランドDH5の大編隊。
地上には、Mark-I 戦車が攻め上る。

延々と続く塹壕は、同じく映画の、
『西部戦線異状なし』や『戦場のアリア』を思わせる。

となると、「ザラストロ軍」は、角の生えたヘルメット、
かと思いきや、色違いの赤い軍装だった。

やがて、タミーノは「夜の女王軍」の青い軍服から
「ザラストロ軍」の赤い軍服に着替えることとなる。

そのザラストロの有名なアリアは、
戦場の共同墓地で歌われる。

戦場にありながら清らかなその墓地の記念碑には、
おびただしい戦死者の名前が刻まれている。

驚いたことに、そのなかに、
かなりの数の日本人の名前も出てくる。

山本直人 享年十八歳。などなど。
ヘブライ、ロシア、アラブなどの文字も見える。

この舞台設定は、ある意味、わかりやすい。
戦場における「火の試練」と「水の試練」も。

一方、青い軍服に着替えたモノスタトスと、
夜の女王たちは、やはり光には勝てず、滅ぶ。

原作は、古代エジプトと思しき世界観で書かれたが、
フリーメイソンの教義も取りざたされる。

歴史上、宗教は、ときに不寛容を見せてきたが、
宗教を超えた倫理観と哲学を具現化した作品だと思う。

それをこの映画は、さらに普遍的な価値観と世界観で、
再構築した、と言えるだろう。

おすすめ。
by hirorin330 | 2009-07-05 15:48 | 映画・DVD | Comments(2)
Commented by canna at 2009-07-06 02:58 x
でもやっぱりあたしはオリジナルのZauberflöteでのオペラが好き。
Commented by hirorin330 at 2009-07-06 18:11
canna さま
あ、やはり、そうですか。
生の声を舞台で聴くのが大切ですね。