男鹿和雄展 / 兵庫県立美術館
「ジブリの絵職人」
「トトロの森を描いた人」
男鹿和雄展
気がつけば会期末が迫っていた。
こりゃ、いかん、と、出かけてきた。
驚いた。
駐車場が20分待ちで、入場も30分待ち。
どちらかというと地味な職人技、と思っていたが、
やはり大人気なようだ。
会期末が近いとはいえ、平日の昼前に、
あれだけ混雑する中での鑑賞は初めて。
『侍ジャイアンツ』や『幻魔大戦』の昔から、
数百の作品が並び、見応え満点。
「森の人」だと思っていたが、『紅の豚』に出てくる、
アドリア海の隠れ家も彼の作品だったとは。
おじさんの理想、あこがれなんだよ、
あの「秘密基地」。
『トトロ』の森や『千と千尋』の水辺の景色は、
いつまでも見ていたかったなあ。
作品が完成に至る緻密な作業を紹介する、
DVDが流されるコーナーもあった。
ある意味世間をなめていたようだ。
むしろ「通好み」と思っていた展覧会がこの盛況だ。
今週末が最後。
トトロの登場もうわさされている。
是非。
「男鹿和雄展」ならではのものは、これだけ。
背景画にセル画を重ねた演出のクリアファイル。
おなじみのネコバスは、
トトロが出てくる凝った作りに、つい。
チビトトロも乗っている。
街のジブリショップで買えるのだろうけれど。
極めつけは、記事冒頭の「ラピュタ」の「ロボット」。
マグネット利用のカードホルダー。
男鹿和雄氏の作品ではなかったと思う。
が、つい。
もちろん背後も手抜きはなく、
配線やスイッチもちゃんとある。
人ごみには疲れたが、写真よりも写実的な、
あの背景画は一見の価値あり。