オーストリア土産をたくさんいただいた。
お菓子、Tシャツ、スワロフスキー、カバン。
賢明な読者諸兄諸姉に間違いはないと思うが、
ヨーロッパにある方の国。
在日オーストリア大使館が、思い余ってか、
オーストリーと呼んでくれ、なんて言ってたっけ。
国名を英語から輸入したからだろうか、
オーストラリアとよく似てはいる。
原語(ドイツ語)では、(強引に片仮名にすると、)
「エスタライヒ」なので、間違いようがないのだ。
なぜそんなウンチクをたれるかというと、
ちょっと嬉しい思い出がある。
旧西ドイツ時代にキプロス出身の学友が居た。
ある日、問われた。もちろんドイツ語で。
日本語で「ツィペルン」はなんと呼ぶんだい。
「キプロス」だよ。
え、なんだって。
「キプロス」だけど、なにか。
それは、我々のギリシャ語と同じだ、
と叫ぶなり私を熱く抱擁した。
実は、地中海の島国、キプロスは分断国家だ。
ギリシャ系とトルコ系に分断されている。
私が彼と出会った前年に「北キプロス・トルコ共和国」、
という国家が分離独立を宣言してしまった。
ギリシャ系の彼は、机を並べるアジア人の口から、
母国を母国語で呼ばれたのがよほどうれしかったのだろう。
この一件以来、キプロス問題に中立を貫くのは、
とても難しくなっている。
キプロス共和国は、EUに承認されているが、
トルコは、キプロスを承認しないままEU加盟を望んでいる。
日本の外務省は、かつて、
英語に倣って「サイプラス」と表記していた。
世界に通用する言語ではあるが、なんでも英語に倣うと、
オーストリアのような悲喜劇も起こる。
相手の言葉や文化を大切にすれば、友人が増える。
と、思うのだ。
カタカナ表記だけでは無理があるが、こんな川柳もある。
ギョエテとは、吾のことかと、ゲーテ言い。
ただ、日本語には「
ショコラリパブリック問題」があるし、
『ヴェネツィアに死す』よりは『ベニスに死す』を選ぶ国民だ。
なんとも悩ましい限りである。
で、お土産の一部。