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12歳から24歳まで通った母校は、
ミッションスクールだった。
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中高はもちろん、大学も全学部にチャペルがある。
学生オルガニストも居て、私もその一人だった。

先日、アメリカでオルガニストをしている後輩が、
母校で演奏会をするというのでお邪魔してきた。

私が卒業してから学部が三つ増え、数年前、
創立125周年に合わせて中央講堂も改築された。

そこに設置されたのがこちらのオルガン。
お気づきだろうか。
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右側は普通の配置だが、正面のパイプ群、
よくよく見れば、さかさまに収まっている。

古いオルガンばかり研究してきたせいもあって、
こういうスタイルは初めて。

少し弾かせてもらったが、
規模から想像するより、ずっと良く鳴る楽器だった。

いや、もちろん逆さまのパイプのせいではないと思うが。




サービスカット
神戸市灘区といっても、とても広い。
このミュージアムは、六甲山上にある。

言っちゃあなんだが、単なる観光施設ではない。
博物館法に基づく施設で、ちゃんと学芸員もいる。

ただ、できて20年以上、訪ねていなかった。
それには、複雑な個人的事情もあったりする。

完成して、半年もしないうちに、
阪神大震災が襲ったのも理由の一つ。

六甲を走るたびに横は通るのだが、
先日、ようやく初めて行ってきた。

小雨交じりの悪天候だったが、それがよかった。
駐車場で車を降りると、そこは、異世界だった。

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六甲山の霧にけむる建物は、
とても日本のものとは思えなかった。

アルプスに近いドイツ、あるいは、スイス。
付け焼刃でないドイツ風の演出がいっぱい。

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まずは、二階のメイン展示室へ。
ここでは、30分ごとにミニコンサートがある。

実は、オルゴール博物館というのは正確でない。
自動演奏装置全般のコレクションが展示されている。

個人の家に収拾するサイズのオルゴールから、
ダンスホール用の巨大なダンスオルガンまで。

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ヴァイオリンの自動演奏機械は、
メカニズムを見ているだけでも飽きない。

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手紙を書いたり曲芸を演じたりする、
日本でいうからくり人形の実演もある。

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当時の新技術、蓄音機と覇権を争ったという、
ピアノの自動演奏装置には驚いた。

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演奏者として、コルトー、ホロヴィッツ、
ガーシュインなどの名前が並ぶ。

まだ拙かった録音再生機械だけでなく、
ピアノで再現する自動演奏装置にも期待したようだ。

ただ、強弱16段階、ということなので、
完全な演奏の再現とは言えなかった。

それでも、そこで、あなたはそれだけタメるか、
という演奏も再現されて、非常に興味深かった。

電気と空気で16段階もの強弱の再現とは、
そもそも、驚きではないか。

解説のお嬢さんたちが愛らしいこともあって、
気づけば、5ステージも聴き入ってしまった。

30分ごとに20分少々の演奏なので、
この楽器も聴きたい、と思うと自然に時は流れた。

定期的に演奏テーマが組まれるそうで、
この期間、特集は、久石譲作品だった。

19世紀末のヨーロッパの楽器で聴く久石作品は、
なんとも趣のある不思議な経験だった。

そうそう、彼女たちの名誉のために補足するが、
少々専門的な質問にも真摯に対応してくれた。

結局、3人のお嬢さんたちの解説を聞いたが、
皆、とてもよく勉強して、訓練されていると思った。

研修中の名札を付けたお嬢さんは、
帰り際にわざわざ礼に来てくれた。

初々しくて、博物館の好感度も大幅アップ。
もちろん、LINEの交換などはしていない。

この博物館、もう少しほめたい。
庭だ。

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はっきり言って、個人の邸宅レベル。
この程度の金持ち、居るよな、的な。

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しかし、自然な手入れ感は、ドイツ風なのか、
何とも居心地がいい庭なのだ。

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径には巣箱のようなものが設置されているが、
これも、ひもを引っ張るとオルゴールだった。

そこかしこに、ドイツ語のサインもある。
個人の駐車スペース、とか、通り抜け禁止とか。

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ドイツのホームセンターで売っていそうな、
そんな日常的な演出がまた、いい。

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告白すると、いささか、上から目線だった。
滞欧時代に本場で本物をいっぱい見聴きした。

大丈夫か、がっかりさせないでくれよ、
そんな、少々驕った気持ちが強かった。

この後、ほかのスケジュールもなくはなかったが、
結局、この日は、ここだけでいい時間を過ごせた。

ケーブルカーとバスで訪ねるのも楽しいだろうな。
もう、次の訪問を考えていたりする。

週日の23:30、末っ子が必ず居間に降りてくる。
ケーブルTVのアニメを見に。

居間の隅っこのPCで遊び、否、仕事しながら、
見るでもなく、一緒に見ていることがある。

強力な守護霊のようなものを操る主人公たちは、
主人公の母の呪縛を解く旅を続けている。

色彩や台詞が強烈で、いまひとつ入り込めないが、
先日、テーマ音楽が変わった。

特に、エンディングテーマは、どこか懐かしい。
と、エンドロールを見て、驚愕。

エレクトリック・シタールの幽玄な旋律。
パット・メセニーではないか。

シャカタク、アール・クルーらと並び、
私の学生時代を彩ったフュージョン・ミュージック。

クルマの中は、クロムのカセットテープ、
音源は、もちろん30㎝LPの時代だ。

そういえば、パットのCDは持っていなかった。
調べると、エッセンシャルがリリースされていた。

エッセンシャルというと、本質とか不可欠の意味。
つまり、ベストアルバムだろう。

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さっそくゲットしてまた驚いた。
CDのジャケットが、アニメデザインではないか。

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まさか、と思いよく見ると、裏は通常らしい。
で、あけてみると、二本立てだった。

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なるほどなあ。
しかし、アニメのなんという影響力。

あのエンディング・テーマを聴いた世代から、
新しい音楽が生まれるかもしれない。

美しい旋律と抑制のきいたリズム。
時代は、また、癒しを求めているのかもしれない。

スウェーデン出身のミュージシャン。
ということは、ラスムス・ファーベルかも。

まあ、いい。

家族が見ているテレビのCMで、
クールな『999』が流れた。



調べると、すぐにたどり着いた。
CDももう、随分リリースされている。

知らなかったなあ。
ここにもオタク、否、アニメファンが。

クレモンティーヌのボサノヴァも驚いたが、
ラスマスのジャズアレンジもびっくり。

オリジナル曲といっても通じそうだ。
しかも、だ。

相当古いアニメも扱っている。
私の子供の頃の懐かしいアニソンだ。

しかも、なんともジャジーなアレンジ。
これは、たまらぬ。

アニソン、恐るべし、
な、アルバムたちである。


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長男も出演するコンクールが、
職場の目の前のホールで開催された。

が、仕事があり、聴きに行けない。
ところが、驚いた。

演奏が終わるなり製作されるのか、
結果発表のあとには、もう、発売。

一団体のみ、解説もデータもなく、
ただ、演奏のみのCD。

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長男は、バリトンのパートリーダーで、
今年は、最終学年。

全国で1位になる、と宣言していたが、
カテゴリーから関西代表は、1団体のみ。

結果を先に聞いていたので、
臨場感緊張感はなかったが。

結論から言うと、圧勝、かな。
審査員7人中5人が1位に推した。

CDで演奏を聴いて、また驚いた。
曲中、ダブルカルテットがあった。

思いのほか、というのも失礼なのだが、
なんの、なかなか上手いのだ。

もともと、彼らの団体が得意とするのは、
100人級の大人数による迫力とメリハリ。

今日の演奏も91人が舞台に上がったという。
それもというか、もちろん男声ばかり、だ。

精度の高い小編成の演奏を課すことで、
習熟度や音楽性も見るつもりなのだろうか。

と、妻が嬉しそうに言う。
わかる?M(長男)あの中にいたんよ。

わからなかった。
うれしかった。

兄弟姉妹の中で、一番ピアノを弾かなかった。
譜読みも一番怪しいと思っていた。

私も同じバリトンだったこともあって、
見えてくる、聴こえてくることも多い。

が、ついに息子の声は聴き取れなかった。
が、合唱はそれでいいのだ。

陽気な課題曲、『トルコの酒場の歌』だった。
(J.W.von ゲーテ作詞、F.メンデルスゾーン作曲)

自由曲が、また驚きの演奏。
V.トルミス作曲『大波の魔術』。

「エストニア号」遭難事故の鎮魂歌として、
ラテン語に翻訳されたテキストが使われている。

阪神大震災の前年、バルト海で起こった、
852人の犠牲者を出した海難事故。

エストニアからスウェーデンに向かっていた、
大型フェリーが、フィンランド沖で遭難した。

トルコの酒場だ、やっほぉい、から、
一転、静謐なレクイエムである。

スウェーデンとフィンランドの男声合唱団の委嘱で、
両国の母語でないラテン語が選ばれたという。

そのせいもあって、より宗教曲に聞こえる。
しかも楽譜を見せてもらうと、最大8声部の難曲だ。

しかし、一番心に沁みるのは、ppp(ピアノピアニッシモ)。
ピアニッシモより小さく、という指示。

91人の男声による、ppp だ。
命が消えゆく、魂が昇華するフィナーレ。

この遭難事件から間もなく、阪神大震災が起きた。
バルト海の悲劇は、いつのまにか、忘れていた。

このCDを聴いて、思い出した。
原因の究明にも時間がかかっていた。

とにかく壮絶な海難事故だった。
こういう形で事故を再認識することになるとは。

前言撤回。
大人数の迫力だけではなかった。

関西学院グリークラブ、さすがだ。
私は、『シュガーベイブ』ファンだ。
とくに、大貫妙子と山下達郎が好き。

何年もしないで『シュガーベイブ』は解散して、
私の軸足は、大貫妙子におかれるようになった。

きっかけは、FM大阪の番組。
1980年のある日『CARNAVAL』が流れた。

その日から、大貫妙子のファンを宣言している。
もちろんLPはさかのぼって全部集めた。

奇しくもその年、山下達郎も
『RIDE ON TIME』で大ブレイク。

とはいえ、大貫妙子も山下達郎も、
『シュガーベイブ』のあと、随分と悩んだようだ。

大貫妙子のブレイクは、サブカル的だったが、
それでも、ようやく時代が二人に追いついた。

いや、世間に追いついてほしいわけではないが、
認められて欲しいとは思うのだ、ファンとして。

で、山下達郎は、もう、大丈夫。
大貫妙子一本でサポーターになろうと。

ファン心理とは、かくも狂気に満ちている。
LP、CDを買っただけでこれだ。

ところが、それから35年。
またFM大阪がやらかしてくれた。

家人のクルマは、金曜日の午前中には、
FM大阪が流れている。

聴いてしまったのだ。
懐かしき達郎節。

でも、曲名がわからない。
便利な時代になったものだ。

ネットでオンエア曲がチェックできる。
昔ならFM週刊誌、というところ。

週刊FM、FMfun、FMレコパル
週刊FMはクラシックにも強かった。

35年のご無沙汰を詫びて、
山下達郎のCDを買った。

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OPUS
ALL TIME BEST 1975-2012

早速、クルマのHDDにぶち込んだ。

いかん。
こみあげてくるものがある。

歌詞は、ときには邪魔だとさえ思うのだが、
甘い歌詞さえ今は、素直に耳に入ってくる。

年齢かなあ。
つらいこと多いしなあ。

あの日、FM大阪で大貫妙子を聞かなかったら、
今の人生を歩んでいなかったと思っている。

それと同じくらいの衝撃を、
先日のFM大阪の山下達郎から受けた。

大貫妙子は、私の青春そのもの。
山下達郎は、私の青春のおさらい。

そして、『シュガーベイブ』は、私の青春の原点。
そういうことになりそうだ。

FM大阪には、感謝している。
だから、FMはやめられない。

この夏、私のクルマは、
山下達郎のヘビーローテーション。

ちなみに、問題の曲は、
『FOREVER MINE』だった。
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先週末は怒涛の日々でした。

新学期が始まったばかりで、
本業も副業もペースがつかめないなか、

オケ合わせ、
ゲネプロ、
リハーサル、
そして本番。

軽く燃え尽きました。

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ヘンデルの夢を見そうです。
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ヘンデル の 

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『メサイア』 全曲

歌います。

ご希望の方、チケット差し上げます。

メッセージでご連絡ください。

いきなりだが、クマグミが好き。
ハリボの。

1980年に初めて土産に買って帰ったとき、
仲間うちの評判は今一つだった。

それが、今では、スーパーに、
グミコーナーができるほど。

子供の咀嚼力を育てるためという、
やや硬めの触感も市民権を得た。

で、唐突だが、ノリグラフ。
ハリボと似たネーミングだ。

Hans Riegel Bonn
ハンス・リーゲル・ボン

ハンス・リーゲル氏がボンでおこした会社。
ハ・リ・ボ、ハ・リ・ボー、とも。

で、ノリグラフだが、
カリグラフの洒落でもあろう。

カリグラフ、カリグラフィーは、
西洋やアラブの装飾文字のこと。

筆ではなく、ペンを使って、
装飾的な文字を書く。

ノリグラフは、五線を引く筆記具。
Notenlinienschreiber

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昔、アイゼナッハのバッハの生家で、
その時代の筆記具を見た。

ペン先が5つに割れたペンで、
インクを付けて五線を一気に引く。

紙自体が貴重だった時代、
五線紙なんて売っていない。

自分で五線を引いたのだ。
なんと、現代にもあった。

簡単に言うと、
ボールペンの芯を5本並べた筆記具。

実際に引いてみると、結構コツがいる。
歪んだり、かすれたり。

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それでも、数回引くと、
一応さまになってきた。

バッハの自筆譜のレプリカを思い出す。
バッハの五線は、力強い。

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五線の終わりは、きっちりタメがある。
そして、その上で音符が躍る。

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私もこのペンがあれば、
いつでも五線紙が手に入る。

現代のわれわれは、
普通の五線紙を買えばいいのではあるが。

ああ、サボってたよなあ、自分。
こんなピアニスト、ノーマークだったなんて。

Animessi で、ひっかかって、本当に良かった。
ちょっと、情けないけど。

とりあえず、比較的初期のアルバムをゲット。
澤野工房から出ているというだけでも、安心。

いや、しかし、AVANTI! だ。
イタリア語で、前進!

政治的に複雑な彼の国にあって、
イタリア社会党は、100年以上の歴史を持つ。

あろうことか、ムッソリーニも党員だった。
一言で言うと、左翼政党。

その、イタリア社会党の機関紙が、AVANTI!

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ジャケットの赤地に黒いロゴが、力強い。

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曲名を見ても、何もわからない。
スペイン語、フランス語、イタリア語。

いや、断片的な単語でそう思っているが、
英語の曲も3曲あった。

JOHNNY I HARDLY KNEW YE
IMAGINE
MY REVOLUTION

あ、フランス語の題名だが、
ソヴィエト赤軍合唱団の定番曲もあった。

やっぱり、「そっち」になるのか。

分厚いブックレットを開く。
写っているのは、兵士、農民、労働者。

フランス革命の有名な挿絵もある。
偉そうな軍人もふんぞり返っている。

映画『にがい米』のS.マンガーノのような、
なまめかしい太ももの若い農婦も居る。

反戦歌、革命歌、民衆歌、
そういったくくりなのだろう。

暴力で平等と公平を勝ち取ってきた、
重苦しい歴史へのオマージュか。

その意図を理解する作業は、
ブックレットの英語を解読してから。

だが、解読は進まないだろうな。
ただただ、ピアノが、音楽が、美しい。


やはり今年は、ミラバッシ、聴き込もう。