JR西日本321系電車 / トミックス
JR西日本の一般的な通勤電車。
普通電車運用が多いが、設計最高速度は130km/h。
(運用最高速度は、120km/h。)
ローレル賞を受賞したJR東日本の主力、E233系の
設計最高速度120km/hより「速い」。
たかが10km/h、されど10km/h だ。
面白い例がある。
JR西日本京都・神戸線、いわゆる「アーバンネットワーク」に、
223系というエースと呼ばれる電車がいる。
このあたりの快速は、たいがいは、223系だ。
JR東西線でも快速として走っている。
が、残念ながらJR東西線は、ほとんど130km/h対応でないため、
120km/h制限の221系運用となる。
面白いのは、このタイプ(宮原総合運転区所属)の223系は、
運転台に注意喚起のシールが貼られている。
Wikipediaにその画像を見つけたので、
ご紹介しよう。(画像クリックで拡大します。)
福知山線の事故の反省から、
単純に高速をアピールすることはないが、
基本性能に「余裕」があるにこしたことはない。
で、ちょっと興味深いのは、集電装置。
いわゆるパンタグラフだ。
パンタグラフそのものは、一般的な下枠交叉式だが、
搭載車両は、二個ずつ装備している。
しかも、先頭車用にパンタグラフを装備しているのは、
JRとしては、珍しいのではないか。
ちなみにエース223系もJR東西線を走る、
6000番台(宮原総合運転区所属車両)だけが、
パンタグラフを2基装備している。
ちょっと阪急電車を思い出させる。
9000系、8000系どころか2800系の昔からそうだ。
これは、JR東西線のほとんどが、地下線で、
剛体架線を使用しているから。
通常の架線は、ワイヤーを一定の張力で張るが、
剛体架線は、棒状の架線を設置する。
トンネルの直径を小さくするために選ばれたと思うが、
剛体架線は、場所をとらないうえに丈夫。
ただ、架線に弾性がないので、
パンタグラフの離線の危険が多い。
そこで、パンタグラフをたくさん用意するわけだ。
といっても、いつも二つ使うわけではない。
JR東西線の場合、尼崎と京橋、つまり、
トンネルを出た駅で、東側のパンタグラフを下ろす。
それ以外の路線では、通常、全路線を通じて、
車両西側のパンタグラフ1基のみを使用する。
主に飲みに出かけるときに利用するJR東西線を、
その象徴的な停車駅の名前にちなんで、
私はひそかに「北新地エクスプレス」と呼んでいる。
だから、この電車には、特別の愛着があるのだが、
尼崎駅で昇降するパンタグラフを観察するのも、
実は、楽しみの一つだったりする。
321系が予備のパンタグラフをあげるのは、
さあ、JR東西線を走るぞ、という儀式でもある。
自ずと乗客である私にも気合が入る。
さあ、食うぞ、飲むぞ、と。