斎藤孝

呼び捨てである。いや、悪意はない。私の中では、すでに野口英世、樋口一葉らと同格なのだ。もちろん紙幣の顔に祀り上げられるにはもう少し時間がかかるだろうが。

昨日、古い新聞の切抜きを整理していてハッとした。沖縄料理のレシピを切り抜いた全国紙の記事の裏に、あの少年のような爽やかな笑顔を見つけたのだ。

なになに・・・。「斎藤孝さん選曲」 あの『声に出して』シリーズでブレイク直前らしく、「さん」付けのインタビュー記事だ。撮影は女性らしい。愛を感じる。

なになに・・・。「ゆ~ったりこの1曲」で選んだのが『みなし児のバラード』?いきなり放送コードギリギリで攻めてくるか。そもそも『タイガーマスク』か、いまどき。

温厚で子供ながらにプロレスの胡散臭さに敏感だった私は『タイガーマスク』にもまったく興味がなかった。そもそも『スポ根』系は苦手だった。

なになに・・・。一緒に見ていたビデオを早送りして後テーマであるこの曲を飛ばそうとした子供さんをしかりつけたという。おいおい。

確かにCDの普及以降、長大な交響曲にしても小さな1枚に収められていて、頭だしも1発だからつい全曲をじっくり聴く機会は減った。

「悲しみ」という感情から想像力や教育論に展開する爽やかな弁舌ももさすが。
でもなあ・・・。

書店平積み、なんて避けて通る私が、斎藤孝は何冊か買った。金を返せとは言わない。
が、だ。やはり呼び捨てでいいか。別の意味で。
by hirorin330 | 2004-11-15 15:17 | 日常