コンコルドにみた未来
コンビニで清涼飲料を買った。
コンコルドがついていたから。
コンコルドは、私の「未来」だった。
SFが現実になった乗り物だった。
だって、ほら、『サンダーバード』にでた、
原子力旅客機『ファイアーフラッシュ号』。
似てないか。
でも、未来だ。
確かにコンコルドの後ろ姿は、
むしろ、バルカンに似ている。
ファイアーフラッシュ号の特徴的なカナード翼は、
最新鋭の戦闘機の雄姿に通じるし。
いずれにしても、コンコルドは、未来だ。
いや、未来だった。
悲劇的な墜落事故があって、
ついには、先年、退役した。
人類は、進歩と未来を放棄したのか、
そんな重い気持ちになったものだ。
サンダーバードの時代は、
原子力に明るい未来を託していた。
コンコルドの場合は、
超音速と引き換えにしたものが大きかった。
ロンドンからニューヨークへ、
そしてニューヨークからパリへ。
大西洋をコンコルドで横断するのが夢だった。
果たせないまま、コンコルドは舞台を降りた。
初めて飲む飲み物で、もう名前も忘れたが、
小さなコンコルドに見果てぬ夢を思い出した。
まあ、懲りもせず食玩に手を出している、
言い訳に聞こえるかもしれないが。