トラバント Trabant

阪神タイガースのバント作戦、
では、ない。

旧東独で、ベルリンの壁が開くまで、
市民の手に入る唯一と言っていい車。

ザクセンリンクという国営企業が、
30年以上、改良もくわえず造っていた。

2サイクル2気筒エンジンの前輪駆動車が、
21世紀直前まで主力車だった。

1989年11月9日、ベルリンの壁は開いた。
その記念ミニカーが、これ。

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厳密に言うと、11月10に開くはずだったが、
聞きつけた市民が、9日夜から集まり始めた。

それは見るからにおそまつな車で、
紙で出来ているとも噂されていた。

ところが、噂ではなく、実際に、
パルプ繊維を使ったプラスチック製だった。

今となっては、愛嬌のあるデザインだが、当時、
ポンコツのシロッコでさえ次元が違って見えた。

この、トラバント、(愛称:トラビが)、実は、
アウディにつながるというと驚くだろうか。

現在のアウディのマークの4つの輪は、
連合した4つのメーカーを表している。

そのうちの一つ、ホルヒ社が、第二次大戦後、
東独で作り始めたクルマが、トラバントだ。

西独に残ったホルヒの工場は、
アウディに吸収された。

余談になるが、ホルヒもアウディもそれぞれ
ドイツ語とラテン語で「聞く」ことを意味する。

余談になるが、ナチの高官は、普通、
黒く大きなメルセデスベンツに乗った。

唯一、ゲーリング元帥だけが、
白いホルヒの高級車に乗ったという。

余談になるが、反ユダヤ主義者でもあった、
ヘンリー・フォードはドイツに工場を持った。

これくらいにしておこう。
でも、もし、冷戦に興味がおありなら、

グッバイ、レーニン
トンネル

あたりをおすすめしたい。

ところで、トラバントの意味だが、
衛星、とか仲間、随伴者の意味だという。

なんと東独らしいネーミングか。
ソ連に気を使いまくりではないか。

発売した頃、ソ連が人工衛星を打ち上げた、
それを称えてのことだと聞いている。

ちなみに、ドイツ語の単語として、
私は、聞いたことも使ったこともない。

トラバントは、トラバント。
或いは、トラビ だ。

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麦にハンマーとコンパスの紋章も、
歴史に埋もれようとしている。
by hirorin330 | 2013-11-10 17:12 | クルマ