ドローイングインク / ウインザー&ニュートン
子供の頃、水彩画教室に通っていた。
絵心皆無を自覚できた。
それでも、絵画鑑賞は好きだったし、
描くことも嫌いではなかった。
教育的な配慮だったのだろうか、親は、
12色の水彩絵の具をセットを与えた。
24色が欲しい、とねだっても、
12色あれば他の色も作れる、で終わり。
パレットの中で色を組み合わせるのは、
楽しかったが、面倒くさくもあった。
思う色が出せなくて、描くのが嫌になった、
そんな想い出もある。
大人になって、100色の色鉛筆を見ると、
心の奥が微かに疼いたりもした。
後に500色の色鉛筆まで発売されて、
本当に手が出そうになったこともある。
コロンブスが新大陸へ到達して500年、
ということだったので、20年以上も昔の話。
そんな頃、押さえきれずに手に入れた、
25色のドローイングインクが、出てきた。
英国は、ウィンザー&ニュートン社製。
なんとも、かの国らしい名前の会社。
インクは、小さなガラス瓶に入っていて、
箱には、イラストと色の名前が記されている。
小さなスケッチブックと、ガラスペン、
筆が2本セットになっていた。
持っているだけで心が潤う、
そんなインクたちだ。
なので、絵心のないことなんて、
まったく忘れてしまえる、お気楽な私。
そして、片づけはすすまない。