『第3の男』 / アントン・カラス
音楽のお話。
ツィターという楽器で奏でられるテーマは、
現在の日本でもビールのCMに使われる。
映画も名作だが、曲も有名なのだ。
というか、一世を風靡したのではないか。
もちろん私は、後に記事を読んだだけだが、
バチカンにもバッキンガムにも招かれている。
バチカンでの御前演奏については、
自身の自伝にも書き残されている。
若いころからツィター演奏を生業としながらも、
カトリック教徒が法王の前で演奏する緊張たるや、
かなりのものだったようだ。
そもそも、居酒屋で演奏していたときに、
監督のキャロル・リードに見出されたという。
で、いささか唐突だが、阪急梅田駅だ。
終電間際になると、この曲が流れる。
音質は、駅の構内放送だが、長調でありながら、
哀愁も帯びた旋律は、ツィターならではかも。
ほろ酔いと陽気な時間の余韻を楽しみつつ、
家路に着く電車を待つに相応しい音楽ではないか。
阪急電鉄の終電は、
はやいといわれる。
24:00発三宮行きか、24:10発西宮北口行き。
ともに、支線への連絡はないが、帰宅できる。
競合他線と比べると、確かに早いかもしれない。
ほかの線だと、もう1杯飲める、とも言われる。
が、終電間際の時間帯に『第3の男』を流すセンスは、
かなり気に入っている。