『国土が日本人のなぞを解く』 大石久和 著
古代ギリシャから現代まで、
連綿と研究されてきた学問。
地政学
ときに時代の覇者に都合よく利用され、
侵略戦争の共犯者のようにもいわれる。
しかし、あいかわらず、
世界は地政学に忠実だ。
出版元が少々気にはなったが、
読んでみたいと思って買った。
右か左かでいうと、右だろうか。
否、日本人を俯瞰した日本人論。
詳細なデータをもとに、
精緻に構築される日本人論。
30キロvs 170キロ、これは、
ドーバー海峡と対馬海峡の差。
それでも元は攻めてきたし、
秀吉の軍勢も海峡を渡った。
とはいえ、ヨーロッパのように、
ほんの数百キロの移動で言語が変わることもない。
これは、血で血を洗う、
国際間の紛争から守られてきたことも意味する。
日本人は、「人災」より「天災」に苦しんだ。
これは、日本人を語るうえで重要だと思う。
自分に似つかわしくない本だとも思ったが、
なんの、一気に読んでしまった。