『世界を破綻させた経済学者たち』

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『世界を破綻させた経済学者たち』
許されざる七つの大罪

ジェフ・マドック著

池村千秋訳
松原隆一郎解説

早川書房

原題は“Seven Bad Ideas”
確かに7章からなる著作だ。

私は権威に弱い俗物なので、この秋、
連日の日本人ノーベル賞受賞に興奮した。

ただ、昔から気になっていることがある。
平和賞と経済学賞だ。

平和賞には政治的な思惑があるらしく、
それは、ここでは語らない。

が、やはり一言、言わせてほしいのが、
ノーベル経済学賞。

正確には、「アルフレッド・ノーベル記念
経済学スウェーデン国立銀行賞」というらしい。

スウェーデン国立銀行設立300周年記念で、
新しく創設された賞だという。

まあ、それで、半分謎は解けた。
気がする。

たとえば、21世紀になってから、
アメリカ人が受賞しない年はない。

もう少しいうと、欧米人以外での受賞は、
インド人が一人だけ。

なぜだろう。
なぜかしら。

それは、資本主義と自由主義経済が、
唯一最良のシステムだという認識で成り立つ。

だけど、世界の経済は安定しないし、
みんなが幸福になったとは言い難い。

私は、コミュニストでもマルキシストでもない。
が、ノーベル経済学賞には偏りがあると感じる。

選考基準や調査員に問題も指摘されるが、
ミシュランの方が、まだしも役に立つ気がする。

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兵庫、大阪、京都で802のレストランだ。
調査も大変だろう。

カジュアルなピブグルマンも入れると、
優に1000軒以上の店が掲載される。

そりゃあ、理想は一人の舌で調べるべき。
だが、そうはいくまい。

そう考えるとまた少しわかったような気がする。
いや、こういっちゃあなんだが、経済学賞、

贈りたい人、贈られた人と全地球人の幸福には、
あまり関係がないのではないか。

まあ、贈られた人が嬉しいのならそれでいい。
これはミシュランもノーベルも共通かもしれない。

今日は、なんだか、毒を吐いちまった。