しるのみ
「汁飲み」。関西弁では、「の」にアクセントがある。
ざっと7代に渡って関西人ではあるが、およそ関西弁を記事にするときは、
牧村史陽の『大阪ことば事典』(講談社)を参考にする。
残念ながら載っていなかった。
が、子供の頃から言われてきた。
汁物、つまりスープやおつゆが好き。
もう少し概念を広げると麺類も含むと思われる。
ちなみに同義語には「茶飲み」という言葉もあって、
ほにゃらら(※)は八畳敷きだそうだ。(※解読希望者は鍵コメで)
ところで「汁のみ」は、どちらかというと否定的な意味合いが強いように思う。
たとえば、「お汁ばっかり飲んでご飯食べへんかったらおおきなられへんで。」
「阿呆の三杯汁」ということばもある。
いや、我が家だけの暴言かもしれないが。
ご飯と漬物とお茶で質素な食事をよしとする倹約家にしてみれば、
手間ひまかけた汁物はゼイタクの極み、ということにもなるのだろうか。
が、だ。
好きなのだ。汁物。
液体だから体が弱っていても摂取できる。この時期の夏バテにもいい、と思っている。
英語圏では、飲むではなく食べるになるし、飲み物であって飲み物でない。
残り野菜で作るミネストローネや名前からして親しみのわくソッパデアホ。
夏は冷たいビシソワーズや飲むサラダ、ガスパッチョ。
日本の澄まし汁だってコンソメに負けては居ない。味噌汁はポタージュか。
茹で豚をつくったときの茹で汁をつかう豚汁もいい。ふむ。なかなかしぼりきれない。
肉や野菜をコトコト煮込むとじんわりやさしく旨みや栄養がにじみ出て、
無色透明の水が、風味豊かなスープになる、ああ、美味そう。
いかん。
お昼は、ラーメンが食べたくなった。今日も暑いのに。