Examico(エグザミコ) 4001 / Schuco (シュコー)
しまいこんでいた本や玩具や思い出の品など。
今回は、ドイツのミニカーメーカーシュコー社のミニカー。
戦前の名作のレプリカのさらに復刻版。箱まで忠実に再現。
簡単に言うと「ブリキのオモチャ」だが、とにかく凄いんだから。
1930年代にこんなおもちゃを作っていたのは、驚嘆。
動力源は、ぜんまい。
別添えのネジ巻きで、カリリカリリ、と巻く。
3本スポークのステアリングホイール(ハンドル)も泣かせるが、
ステアリングホイールを回せば前輪が動く。
さらに、ハンドブレーキが、あって、ネジを巻いて、
ネジまきを抜いても、いきなり走り出すような無作法をしない。
おまけに、クラッチがあって、ギアに入れなければ、
アイドリングでぜんまいだけが解放される。そこまでするか。
しかも、前進4段+後退のギアボックスを持っていて、
ちゃんとギア比が変化して走行速度が変わる。
御丁寧に解説書は、4速(トップギア)には、
「アウトバーン(高速道路)」の指示がある。
驚かされるのは、さすがにディファレンシャルギアは装備していないが、
動力と直結するのは右後輪だけで、敢えて左は解放してある。
回転したとき、この大きさだと回転半径も小さくなり、
左右の動力輪を固定して回転させるとなめらかには走れない。
理屈はそうでも、動力伝達の精度や走行性能の完成度を考えると、
なかなかそこまで思い切った、そして複雑な設計は出来ない。
ぜんまいで動く全長14cmの「ブリキのオモチャ」のスペックだろうか。
しかも、ヒトラーが政権をとるころの玩具なのだ。
何を探していたのか、なんてどうでもよくなっても不思議ではない。
つい、一時遊んでしまった。
非常にわかりにくいが、左後輪が、だらりとフリーの状態。
"MADE IN WESTERN GERMANY"の金文字も鮮やか。
ゆっくり(langsam:1)、中くらい(mittel:2)、速く(schnell:3)、
そしてアウトバーン(Autobahn:4)、つまりオーバートップか。
やはりドイツ人にはおもちゃを作って欲しい。
いい仕事してくれるし。