指抜きと刺繍鋏 / J.A.Henckels

母が亡くなって8年、少しずつ遺品を整理していると、
面白いものも出てくる。

鏡台の引き出しから出てきた。
いや、湿っぽい話ではない。

使った様子のない指抜きと刺繍鋏に、少し困った母の様子を思い出した。
よく言うと嘘のつけない、自分に正直な人だった。

旧西ドイツの西の端に暮らしていて、パリも近いよ、
なんて言ったりしたので、無理難題を仰せつかったこともある。

エルメスのなんたらが欲しい、だの、
コンテスのホースヘアーがどうたら、とか。

小遣い欲しさに奔走しましたとも。
そんななかで、自前の土産がこれ。
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まあ、確かに、ブランド品と比べると見劣りはするか。
にしても、目に見えて落胆しなくてもいいじゃないか。

刃物の贈り物を近しい人にするのはタブーだと知ったのは、
それからずいぶん時が流れてから。

現地では、母の日の贈り物にもなるようだったので、躊躇なかったのだが、
いやしかし、モノを知らないとは、恥ずかしいことだと思った。
by hirorin330 | 2008-07-18 18:50 | 日常 | Comments(2)
Commented by elfarran_in at 2008-07-19 11:37
習慣が違いますもんねぇ。。。
でも、アンティークになると結構なお値段で出てますよ、
こういう風なはさみはん。日本では見ない素敵な意匠ですよね。
あかーさま照れてらっしゃったんでは?そして勿体無くて
使えなかった・・・と(笑)いやいや。。。。ちょっと困ったおかーさま。
キュートですね、とまどってらっしゃったのかしらねぇ~。。。

刃物、魔よけでもありますし縁を切るばかりでは^^;
針仕事はしませんが、欧州の指貫には素敵なものが多くて、
見てるだけも楽しいですよね。
妖精のコップになったり・・・ロマンですよ。

まぁ酒のナンテラとかワインのナンヤラカンヤラが欲しいと
言われるのも重くて大変かも。。。あ、横道?!^^;笑
Commented by hirorin330 at 2008-07-19 18:07
elfarran_in さま
ほのぼの美談に修正していただくのには無理がありますって。(笑)
むこうでは、コレクションアイテムでもあるようですしけど、
やはり、指の先っちょにかぶせるタイプは、日本のとは違いますね。

ちなみに酒のナンタラは横道ならぬ、王道でございます。