ありまサイダー てっぽう水 / 合資会社有馬八助商店
「曾て杉ヶ谷に湧出し
毒水と恐れられし炭酸水が
日本のサイダーの原点なり。」
ここで、勇壮なテーマ音楽でも流れそうな勢いだ。
いや、サイダーのラベルにそうある。
そもそも「鉄砲水」といえば、豪雨などによる、河川の急激な増水、
早い話が、「厄災」ではなかったか。
ラベルには、まだ演出があって、
「日本摂津有馬町」と、ある。
いや、廃藩置県のどさくさの時代、演出ではなく、
実際にそう名乗っていたのかもしれない。
「毒水宣言」の次は、この大砲の絵。
日露戦争で使われていたかのようなクラシックな砲だ。
王冠もこの通り。
収集癖が疼く。
ご当地サイダーブームもそろそろ落ち着いたと思うが、
このラベルは、素通りできなかった。
もちろん、味は、勇壮でも毒でもなく、普通にサイダー。
でも、つい、手に取らせる魅力、あるいは、戦略がある。
侮るべからず、てっぽう水。
恐るべし、てっぽう水。